「木の下で・・・」



プロローグ



「やったぁ〜!」 と少女の声が耳に入ってきた。しかし、その声は大きいはずなのに響きはしない。
なんせ今日は高校の合格発表日。周りも騒ぎ立てているのだ。
僕の耳にその少女の声が入ってきたのはわからない。その少女はとてもうれしそうであった。
無論、僕も受かったのだが、嬉しさはない。
 発表前日・・・彼女にふられたのだ。その彼女は、遠く離れた所に転校してしまい、
僕は遠距離恋愛を決め込んだいた。が、しかし、昨日になって電話で別れ話を切り出された。
「もうあなたを好きでいられる自信がない」と。僕はなくなく了解してしまった。
彼女の言葉に・・・もう恋愛の二文字はなかったから・・・。
僕がその彼女のことを忘れられるのはまだ先のことだろう。今まで一緒にいた時間が長すぎた。
 少女の顔には、期待と喜悦が満ち溢れていた。僕には、これから期待するものもなく…
喜びというものは、昨日の衝撃によりかき消され、微塵も感じられない。
その少女と僕は、今の精神状況だと全くの対照人間だろう。


第一章 出逢




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